HogaHolic × JAPANESE EYES



 シンポジウムに出席

「嫌な“脇汗”をかいた経験は自分だけのもの」

 
10月28日、ぴあフィルムフェスティバル(以下、PFF)との提携企画で特別上映された『あんたの家』。その前日の深夜に大阪から東京入りした山川公平監督は、当日はスーツで、上映後の質疑応答の場に出席した。「自分が初めて参加した映画祭は、2009年の水戸短編映像祭なのですが、その時の質疑応答を“10点”とするなら、今回のTIFFは“50点”。毎回緊張します」と山川監督。その後、橋本直樹(『臍帯』監督)、松江哲明(『ライブテープ』監督)、荒木啓子(ぴあフィルムフェスティバル・ディレクター)と共に出席した、「日本の自主映画製作の現状と映画祭が果たしうる役割」と題したシンポジウムについては、「橋本監督も、松江監督も、それぞれのキャリアや映画人生があっての発言ばかりで、自分の“ものさし”を持っている方々。あの場に並んだことで、自分との差は歴然としたし、嫌な“脇汗”をいっぱいかきました(笑)。でも今回の経験は、自分だけが味わえた貴重なもの。途中からは、吸収しようと必死に聞き入ってました」と振り返った。その中でも最も印象に残ったのが、橋本監督が語った「今は映画業界にはいたくないけど、映画はやっぱり撮り続けたい」というひと言だったとか。「その意味をしばらくずっと考えてました。シンポジウムの席で自分の目標として『映画で食べていくこと』と発言したけれど、それは無謀な考えだと自分でも思います。ただ映画作りがコミュニティーを築いていくことでもあるとするなら、そこには他の仕事と同じように気概や理念がなければ方向性を見失ってしまうのではないかと思います。そういう意味で「食べていく」という無謀な目標を傍に置いておいて映画を考えていたいと思います。とにかくまた、誰かに楽しんで貰える映画を作ります。そしてまた東京国際映画祭に招待して貰えることがあれば、大変嬉しいです」。

 TIFFCOMって何だ?

「人との“出会い”をどう生かしていったらいいのか考え中です」

 
最初にTIFFについては、「“東京”という冠がつく、日本の中心に位置する映画祭というイメージ」と語っていた山川監督。シンポジウム終了後、 国内外の映画関係者が集う併設のビジネスマーケット“TIFFCOM”の会場へ。今年のTIFFに出品された日本映画についての窓口となる“ジャパンブース”では、主催のユニジャパン担当者より、海外映画祭に出品する際の支援について説明を受けたほか、偶然通りかかったドイツの映画祭 “NIPPON CONNECTION”のディレクターから参加を誘われる場面も。「海外の映画祭は一度だけ、ロッテルダム国際映画祭に参加したことがあります。今はそうした手続きはPFF事務局が応対してくれていますが、その時は自分でエントリーしたんです。色んな方に協力して頂いて…どうにかこうにか。でもそ うした映画祭やマーケットで色んな方々と知り合うのですが、その出会いを自分はまだ生かせていないんです。ご挨拶できるのは光栄なんですが、自分はまだまだ経験不足。これからも色々と教えて貰いながら世界を広げていければと思います」。

 監督協会のパーティに出席

「監督とのこうした交流は純粋に嬉しいです」

 
同日の10月28日に併設のTIFF movie cafeで開催された、日本映画監督協会のレセプションに出席。理事長の崔洋一監督や、PFFアワード2010のトロフィーを山川監督に授与した根岸吉太郎監督も参加しており、山川監督に(2009年度の日本映画監督協会新人賞受賞の)入江悠監督を紹介しようと声を気軽にかける場面も。そのほか会場内には今年のTIFFに参加した監督らも多数参加。「(TPGに企画を出品した)佐藤佐吉監督や、シンポジウムでご一緒した松江哲明監督ともゆっくり話せました。特に松江さんからは、『あんたの家』についての批評を直接聞けたんです。『自主映画なんだから敵を作ってでもあの夫婦の関係性をとことん描くべき。まだまだ人間が描ききれてない』と言われましたが、そうした批評は今の自分にはすごく必要だし有難いと思います」と語っていた山川監督。シンポジウムやこうした会食の間にも、コ ンペティション出品作品の『海炭市叙景』や『一枚のハガキ』も鑑賞したようで、大学の卒業制作作品の準備で強行日程での参加にも関わらず、濃い映画祭体験を果たしたようだ。





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