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My Generation

ドキュメンタリー監督・松江哲明、1977年生まれ。カメラを通じて、目の前の現実と向き合ってきた松江哲明監督が、「同世代」の才能について大いに語る! 彼にとって、同じ時代の匂いを感じるクリエイターとは、その才能とは、いったい何を指すのだろうか?
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(C)2009 TWENTIETH CENTURY FOX
マーク・ウェブ監督(1975年生まれ)の新作映画
『(500)日のサマー』
2010年1月9日より、TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほかにて上映中
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拝啓、マーク・ウェブ様。
『(500)日のサマー』をさっき渋谷で見て来ました。実を言うとあなたよりズーイー・デシャネルさんにお手紙を出したいのですが、彼女は映画同様、男子に対しては一見やさしい、けど本音は見せてくれなさそうなので、この抑えきれない感情はそんな彼女を演出したあなたに知ってもらいたいと思います。
あなたが冒頭に宣言したように本作はラブストーリーではありませんでした。
現実よりも先に映画やマンガ、音楽から知識を得てしまい、人と向き合う前に自分の位置を気にしてしまう、僕ら文系男子の失恋反省映画でした。『ラブソングができるまで』のような甘い映画を期待していた僕は、過去の恋愛を思い出し「イタタ、イタタ」と悶絶しながらスクリーンと向き合っていました。特にあんなこと、こんなことまでさせておいて「友達ね」と言い切るズーイーさんの小悪魔っぷりは思い返しても憎たらしいったらありゃしません。けどそんな彼女だからこそ惚れてしまうんですよね。
しかし、ここまで女子を描かない映画も珍しいと思います。気持ちを一切描かないからこそズーイーさんは、完全に手の届かない存在になれましたし、その心意気、完璧な演出だと思います。とはいえ僕もつい先日、映画で描かれたような経験をしたばかりなので、そこら辺の彼女の心情を知りたかったのですが、それを「運命」と言い切るのはズルイような…。しかし、ズーイーさんとの恋愛を思うと苦いラストでしたが、そんな500日を男子の「成長」として描いてくれたことに、ホッとしました。きっとマークさんも映画館から人生を教えられた文系なんだな、と勝手に共感してしまいました。
マークさん、この視点で今度は女子を描いてみてはいかがでしょうか。彼女たちが持つ魔力を、あなたなら解明出来ると思うのです。
突然のミュージカル、8mmでの回想、現実と期待を分けるスプリットスクリーン、時間軸を交差させる構成、そんな僕らより上の世代だったら覚悟がいるような映画的手法をさらりと使うのも、ミュージックビデオも過去の名作もテレビドラマも同時に接することの出来た、僕らの世代ならではだな、と思ったのですが、その辺の話はいつか、直接お話出来たら嬉しいです。
ズーイーさんも一緒に。

Profile: 松江哲明(まつえ・てつあき)

1977年東京都出身。
99年、日本映画学校の卒業制作として監督した『あんにょんキムチ』が、山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波万波特別賞、NETPAC特別賞、平成 12年度文化庁優秀映画賞などを受賞。以降、OV『ほんとにあった! 呪いのビデオ』シリーズ、『カレーライスの女たち』『セキ★ララ』『童貞。をプロデュース』など刺激的な作品 を次々と発表。09年公開された『あんにょん由美香』が、第64回毎日映画コンクール(1月19日発表)にてドキュメンタリー映画賞、映画芸術ベスト4位に選出。東京国際映画祭2009にて 「日本映画・ある視点部門」作品賞を受賞した最新作『ライブテープ』は、池袋シネマ・ロサ、シアターN渋谷ほかにて全国順次公開中。

公式Blog
http://d.hatena.ne.jp/matsue/
 

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