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My Generation

ドキュメンタリー監督・松江哲明、1977年生まれ。カメラを通じて、目の前の現実と向き合ってきた松江哲明監督が、「同世代」の才能について大いに語る! 彼にとって、同じ時代の匂いを感じるクリエイターとは、その才能とは、いったい何を指すのだろうか?
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『音楽の世界へようこそ』
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川本真琴(1974年生まれ)の3rdアルバム『音楽の世界へようこそ』
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『音楽の世界へようこそ』
川本真琴 feat.TIGER FAKE FUR
2/19より発売中/¥3150(My! Best Records MYRD7)
no03
川本真琴さんのことを「俺たちの世代」と括ってしまうのには、抵抗を感じる。それは川本さんの音楽は学生の頃から自然と聞こえて来るものだから。同世代の作り手、というよりも同世代が聞いてる音楽という印象が強いし、実際「愛の才能〜ないの〜」なんて早口で歌いまくる女子を散々見て来たせいかもしれない。あとダウンタウンにツッコまれたり、ツッコミ返したりしてる姿とか。
川本さんの歌を意識し始めたのは最後のメジャーシングルとなった『ブロッサム』という七尾旅人さんが作詞した一曲。『愛の才能』『1/2』『桜』といったカラオケの定番曲とは違う、静かな小さい歌だった。僕は初めて聞いた時「赤ちゃんが初めて声を出して歌ってるみたい」と思った。それ以来、川本さんが音楽とどう生きているのかが気になった。
自作『あんにょん由美香』の挿入曲『ほんとうのはなし』を歌って頂くことになった。初めてお会いした時、待ち合わせの駅にママチャリを引っ張って来て「こんちはー」って現れて、自宅までてくてく歩きながら「で、由美香さんってどんな人だったの?」なんてお話して、台所にいる猫ちゃんをどかしながら歌を録る準備していた川本さんが、なんだか親戚のお姉さんっぽくて「素敵だなぁ」と思った。で、僕とは三つしか違わないことに驚いた。
先月、川本さんが育った地で新曲『アイラブユー』のPV撮影を行った。僕は撮影の近藤龍人と二人で福井に向かい、やっぱり川本さんは駅まで迎えに来てくれた。僕らは川本さんの車を借りてロケハンをし、川本さんがお薦めのカツ丼屋と回転寿司と温泉を満喫し、川本さんのアパートに宿泊した。こんな「川本さん」づくしの準備だった為、本番の撮影も川本さんの作る朝食から始まり、通っていた小学校、歌を練習していた空き地、お気に入りの田んぼといったコースを回り、歌を撮った。僕はただ、川本さんと過ごした一日をドキュメンタリーとして撮影しただけ。撮影素材は四時間を超える、約四分のPVにしてはボリュームのある量だったけど、編集は迷うことなく進められた。なぜなら川本さんの表情が「これしかない」ものだったから。
『あんにょん由美香』にお姉さん的な目線をプラスしてくれた川本さんに、弟から『アイラブユー』というお返しをしたつもりだったんだけど、川本さんには喜んでもらえただろうか。先日「今度、東京に行くよー」と電話があったので、その時にでも聞いてみようと思う。

Profile: 松江哲明(まつえ・てつあき)

1977年東京都出身。
99年、日本映画学校の卒業制作として監督した『あんにょんキムチ』が、山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波万波特別賞、NETPAC特別賞、平成 12年度文化庁優秀映画賞などを受賞。以降、OV『ほんとにあった! 呪いのビデオ』シリーズ、『カレーライスの女たち』『セキ★ララ』『童貞。をプロデュース』など刺激的な作品 を次々と発表。09年公開された『あんにょん由美香』が、第64回毎日映画コンクール(1月19日発表)にてドキュメンタリー映画賞、映画芸術ベスト4位に選出。東京国際映画祭2009にて 「日本映画・ある視点部門」作品賞を受賞した最新作『ライブテープ』は、池袋シネマ・ロサ、シアターN渋谷ほかにて全国順次公開中。

公式Blog
http://d.hatena.ne.jp/matsue/
 



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