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スペーサーfilmfestival
TOP > セカイノ映画祭カラコンニチワ
タイトル
毎日、世界のどこかで行われている映画祭。日本で広く報道されるのはカンヌ、ベルリン、ヴェネチアの世界三大映画祭ぐらいだが、邦画は昨今のジャパニーズ・ポップカルチャー・ブームの影響もあり、世界の意外な場所で熱狂的な歓迎をもって受け入れられているのだ。そんな現地の様子を、参加者自らレポートしてもらおう。
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取材・文/中山治美
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  http://www.dubaifilmfest.com/en
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 石油大国アラブで2004年から始まった中東圏最大規模の映画祭。アラブ諸国だけでなく、広くアフリカ、アジアを含めた才能ある人たちと世界の映画関係者を繋ぐ場所にしたいという。そこで、コンペティション部門は、アラブのフィルムメーカーを対象にした「ムール・アラブ・アワード」と、アジアとアフリカを対象にした「ムール・アジアアフリカ・アワード」が設けられており、邦画は後記の賞のカテゴリーとなる(※出品は中東プレミアが条件)。長編映画部門のグランプリ「ムハール賞」の最優秀作品賞の賞金は5万米ドル(約460万円)、同ドキュメンタリー部門の最優秀賞は4万米ドル(約368万円)とリッチな国らしく高額だ。08年には長編部門で門井肇監督『休暇』が審査員特別賞を、ドキュメンタリー部門で想田和弘監督『精神』が最優秀賞と、邦画がW受賞して話題となった。
 しかし07年10月からは同国アブダビで「中東国際映画祭」が創設されるなど、近隣諸国で競合映画祭が次々誕生。また、昨年末の金融危機“ドバイショック”の影響が映画祭にも及ぶ可能性もあり、早くも岐路に立たされている。
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〈佐向大監督が語るドバイ映画祭〉
「自分の映画が18禁になるとは驚きました」

001 第6回大会に初の商業映画デビュー作『ランニング・オブ・エンプティ』(2月20日公開)で「シネマ・オブ・アジアアフリカ」部門に招待された佐向大監督。同映画は、脚本を手掛けた映画『休暇』で08年に参加したのに続き、2度目となる。「『休暇』と異なり今回はコミカルな作品だったので映画祭に招待されるとは思いませんでした」。

 今回の招待は、前年に『休暇』が同映画祭に出品されて好評価を得た事と、日本映画の選考を担当している映画祭コーディネーター相原裕美さんの尽力もあって実現した。新人である佐向監督にとっては「原作モノでもない低予算映画にとって、映画祭出品は箔が付きます。その中で、日本公開の際に少しでも多くの観客に観てもらえれば」と、宣伝効果を期待しての参加だ。

 そんな佐向監督を映画祭側は好待遇で歓迎してくれたという。往復フライトはビジネス(※佐向監督は夫人を帯同するためにエコノミーに変更してもらった)で、宿泊先は5ッ星ホテル。滞在中の食事は、指定レストランでサインすればOK! これらはずべて映画祭持ちだ。「ホテルが広大で、部屋とレストランなどの移動はゴンドラやバギーを使用。まるでディズニーランドに来ているようで、映画祭のために来ているのにこれでいいのか!?と自問したほどでした」と笑う。

002 しかし、ココはイスラム国家。通常の映画祭では不問にされるレーティングが、戒律の厳しい国だけあって設けられている。『ランニング〜』はヒロイン・アザミが乱暴される場面や銃も出てくるため18歳以下観賞不可。カタログにも「ヌード&暴力あり」と明記されている。ちなみに『カイム外伝』は暴力描写ありで同じく18歳以下観賞不可。『サマーウォーズ』は、「親の同伴を薦める」のPG表記付きだ。「アルコール類もホテル内なら飲めるし食事も問題ないのですが、自分の映画が18禁と聞いて『そうだ、ここはイスラムの国だ』と気付きました(苦笑)」

003 それでも上映は国際的な街を象徴するかのように地元はもちろん日本人や欧米人が駆け付け「ウケすぎだろー!」と監督自身がツッコムほど爆笑に次ぐ爆笑で、盛り上がったという。「上映後のティーチインでは『日本人は勤勉だと聞いていたが、この映画の主人公のようにダラダラ暮らしているような男は本当にいるのか?』という素朴な質問から『音楽と街のノイズのバランスが良かった』という専門的な意見が出て、異文化の人たちに見てもらうことは大切だなと思いましたね。同時に、観客というのはこんなに真剣に映画を見てくれるものなんだと・・・。これから監督として自分の作品に責任を持たなければと痛感させられました」。ドバイで大いに刺激を受けた佐向監督は次回、若手作家の登竜門とも言えるオランダ・ロッテルダム国際映画祭への参加を目指したいという。




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『ランニング・オン・エンプティ』
2月20日(土)より、池袋シネマ・ロサにてレイトショー
http://roe-movie.com/
(C)2009アムモ
【映画『ランニング・オン・エンプティ』】

佐向監督が監督・編集を手掛けたコメディ。自堕落な日々を過ごす彼氏ヒデジ(小林且弥)を困らせるため、恋人アザミ(みひろ)はヒデジの兄(大西信満)らを巻き込んで狂言誘拐を企てる。しかし浅はかな計画はあらぬ方向へ転がり出し、次第に彼らの複雑な関係も明らかになっていく――。2月20日(土)より東京・池袋のシネマ・ロサにてレイトショー公開。また同作品の公開を記念し、2月13日(土)〜19日(金)に同劇場で、佐向監督の自主映画『まだ楽園』がリバイバル上映される。


〈09年12月9日〜16日に開催された第6回大会に出品された邦画及び受賞結果〉
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【ムール・アジアアフリカ・アワード】
長編映画部門
・『Lost Paradise in Tokyo』 白石和彌監督
ドキュメンタリー部門
・『フツーの仕事がしたい』 土屋トカチ監督 ※最優秀賞受賞
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【シネマ・オブ・アジアアフリカ】
(アジア・アフリカ圏の最新の精鋭作品を集めた招待部門)
spacer・『ランニング・オブ・エンプティ』 佐向大監督
・『サマーウォーズ』 細田守監督
・『カムイ外伝』 崔洋一監督
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【ムール・アラビック・アワード】
(アラブ出身監督対象のコンペティション部門)
長編部門
・『僕たちのキックオフ』(原題『KICK OFF』 日本・イラク合作)
 シャウキャット・アミン・コルキ監督

 




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